KANTA通信 発行月:2013年6月
編集・発行
 (特活)関西ナショナルトラスト協会(KANTA)
発行:中岡 健生
編集:KANTA広報室
関西ナショナル・トラスト協会 
No.67 
〒550-0002 大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル5階(公社)アジア協会アジア友の会内
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KANTAの目的として、遠い祖先から受け継いだ山紫水明の美しい自然や、先人たちの築き上げた文化や伝統、
さらには由緒ある歴史的建造物などを、損壊することなしに次世代の人々に伝えて行きます。

春を迎える「お水取り」 奈良東大寺の竹送り
〜古代の浪漫に触れる〜
 奈良に春を告げる東大寺二月堂修二会(お水取り・お松明)。天平勝宝4(752)年に始まってから1回も途絶えることなく続き、今年で1262回目を数えます。本行は3月1日(金)〜14日(木)までの2週間ですが、2月後半から始まる前行とあわせれば約1ヶ月にも及ぶ大きな法会です。
 修二会の正式名称は「十一面悔過(じゅういちめんけか)」と言う。十一面悔過とは、われわれが日常に犯しているさまざまな過ちを、二月堂の本尊である十一面観世音菩薩の宝前で、懺悔(さんげ)することです。
 修二会が創始された古代では、それは国家や万民のためになされる宗教行事を意味したのです。天災や疫病や反乱は国家の病気と考えられ、そうした病気を取り除いて、鎮護国家、天下泰安、風雨順時、五穀豊穣、万民快楽など、人々の幸福を願う行事とされています。
 12〜13日の深夜に行われる「お水取り」や、二月堂の舞台に毎晩あがる「お松明」はよく知られますが、その「お松明」に使われる竹を運ぶのが2月11日の建国の日に行われます。
 周囲が20cm、重さ40kgほどもある根付きの真竹(孟宗竹は節が短く使わない)を7本掘り起こし、観音寺で道中の安全を祈願する「竹寄進」の法要のあと、二月堂に向かって出発します。奈良・黒髪山まで車で運び、そこから旧奈良街道の4kmほどの道のりを進んで、二月堂まで届けられます。この竹送りの行事は、第二次世界大戦や昭和28年の風水害によりしばらくの間途絶えましたが、昭和53年、市民によって結成された「山城松明講」により約40年ぶりに復活しました。
 私たちは奈良阪に10時集合し、竹が到着すると肩に担いで出発します。
 もうKANTA会員は、数年参加していますが、一般参加者が年々増えて今年は特に多く、狭い道に溢れんばかりに進んでいきました。
 一本の竹を10数人の人が担ぎます。先頭は法螺貝を吹き鳴らし、竹が通過するのを知らせます。通過する家々の前には町の人が見送りに立ち、昔ながらの風習なのかお賽銭を上げてくれます。転害門(てがいもん)で一休み、太鼓の歓迎と町の方のお汁粉の接待があります。
 「転害門」から、「県庁東」「東大寺・南大門」を経由して「二月堂」に向かいます。
 今年は、竹送りが終わってから奈良ぞうすいの会が開かれました。ぞうすいを頂いた後、村上事務局長のJAFS設立の話やその設立目的を聞き有意義な1日を過ごしました。

  
美山で「土と水と緑の学校(通称土水)」開催 
 JAFSが和歌山県新宮市で開催している「土・水(今年で30回を迎える)」を美山でこの春開催しました。新宮市で培った「土・水」のノウハウを活かして、美山楽舎を拠点に美山の特色を取り入れた魅力ある3泊4日のプログラムを作成。都会の子どもと地域の方々との交流を図りました。
■プログラムの一部
土の日:農業体験(ジャガイモの植付けなど)
水の日:水路探検(田や畑に水を取込む水路での魚獲り)
緑の日:白尾山登山・森林活動
その他:キャンプファイヤー・郷土料理・自炊・鶏の解体(地元の方の指導の下、楽しい体験をした)
 
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  健康な土づくり 美山のとりくみ 

美山の義民 命をかけて村を救った宮内さん

                                           井上 喜一 (農都交流実行委員)
 ■自然も農業も不思議
 おととしは十二月のこと。冬鳥のアトリの大群がやって来て、翌年二月頃まで、飛び交っていました。でも、この冬は気配がありません。柿が豊作でぼぎきれない年もあります。
*美山の方言=もぎきれない

■健康・元気な水づくりと「農」
 三重県の「堆肥・育土研究所」橋本力男先生に、堆肥つくりの指導をして頂きました。後に発足した、美山有機農業推進協議会の活動に並行して、共同堆肥づくり部会が設立(現在の部会長は、大内在住の國松さん)され地域有機物資源を活用した改良畜糞堆肥「美山の堆肥」を造る(材料は、牛糞・モミガラ・鶏糞・米糠・土・落葉)ことから、農産物の品質向上めざして奮闘されています。
 野菜の水分は八十〜九十%。その水は土の中から。土の中が腐敗型ではなく、発酵型にするために、良質の堆肥・適量の肥料を施す。土作りをしてくれている無数の土壌微生物。土の健康が作物にも左右すると言うお話と、私たちの健康と食べ物の大切さを説かれたグリーンスカウト大阪in美山での中尾先生の講演とつながりました。

■宮内(くない)さんのお話し
平成二十一年八月に発行された平屋振興会ふれあい通信(抜粋)から、紹介させて頂きます。
 内久保区の先人に「宮内清兵衛」という人がいた。天保四年から七年までの間、天候不順で農作物の出来が悪く、各地で大飢饉が起り、甲斐・三河などで一揆が相次いだ頃、同地方でも農家の人達は食べるものにも事欠き、餓死寸前にあった。しかし、園部代官所からは何の容赦もない厳しい取立てに誰一人として窮地を訴え出る人はなかった。このとき清兵衛は、死を覚悟して単身直訴することを決心し、代官所へ行って実情を訴え続けた。
 代官所は訴えを聞くどころか、百姓の分際で生意気者と清兵衛を縛り上げ、責め殺してしまい、その日の夕方、恨みをのんだ清兵衛の死体は竹の簀巻きにされ園部川に投げ捨てられた。
 数日後、通りすがりの人が、下流の堰堤に引っかかっている簀巻きを引き上げてみると、中から指が二本出ていてびっくり大騒ぎとなった。当時の上久保村は園部藩から五免(百姓の上納する米の高)をうけていたが、清兵衛はこの凶作続きの大飢饉に上納はとても無理で、三免を免じて二免にしてもらいたいと訴え続けたもので、この二本の指は何とか二免にしてもらいたいという清兵衛の強い意志の現れであったのだろう。
 この話は次から次へとつたわり、ついに藩主の耳にも入り、土地の人達の為に死を覚悟して直訴を続けた清兵衛の心意気を感じて、ついに二免に下げる事を承諾、農家の者たちは蘇生の思いで農業に精を出すことが出来たという。
 しかし、清兵衛の強訴の罪は許されず、家族のものは地元を出て流浪し、家は絶えてしまったそうである。
 昭和四年の夏頃、上久保の人々は、死の強訴を続けて餓死を救った清兵衛の功績を何時までも伝えるため、近くの由良川の川底から、高さ一.五mの大きい川石を掘り起こして義民宮内の碑と刻み建立し、現在でも毎年十月の第二土曜日の夕方からこの碑の前に集まり、供養を行い冥福を祈っておられます。以下略。
(昭和五十年八月八日発行の京都新聞丹波版掲載記事から)
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 美山楽舎雪中野菜の収穫
  美山楽舎農園で栽培している冬野菜の収穫に2月23日(土)に日帰りで行ってきました。まだまだ冬の寒さが厳しく、美山町に入ると雪景色です。
 しかし道路は完璧に雪かきがしてあり全く雪が無く安心して走れます。
 さて美山楽舎に到着、楽舎の敷地内は30センチ程雪が積もり車は入れません。とにかく楽舎内に入り、長靴を履いて農園を見に行きます。農園は真っ白の雪景色です。その中で白菜、キャベツ、九条ねぎが雪から顔をだしています。雪の中で元気に育っています。 雪中野菜は甘みが強く美味しいといいますが自分たちで栽培するのは初めてです。雪を掘り起こして早速収穫です。三種類を昼ごはんに頂きました。採り立ての雪中野菜は甘みも、うまみも特別です、ビールと野菜だけでお腹が一杯に成りました。満腹感と満足感で一杯です。
 今回は冬野菜の収穫と去年11月に植えた玉ねぎに肥料をやる予定で行ってきましたが雪が深くて肥料やりはできませんでした。また雪が融けてから改めてくる事にして美山楽舎を後にしました。         
                                                                   沖田 文明 (会員)
 
 繋がる美山◆森と鮎とクリーンリバー
                                                    南丹市集落支援員 大東 豊
  今回は美山町の清流とそれを守る様々な活動についてご紹介します。

 地域で「美山川」と親しまれている美山町を横断する川は、一級河川・由良川の最上流部に位置しています。
 この美山川は、前回紹介しました「芦生の森」とも深い関係があります。芦生の原生林のブナやナラ、シデなどの落葉広葉樹は、秋の落葉で栄養たっぷりの腐葉土層を形成します。この腐葉土の栄養は雨ひとしずく、ひとしずくに溶け込み、美山川にたどり着きます。この栄養のお陰で、ケイソウという川底の石についている藻が育ちます。ケイソウは鮎の大好物。美山川の鮎はこれを食べてすくすくと育っています。ここで育つ鮎は第11回全国鮎利き大会で準グランプリにも輝きました。
 そうした美山らしさと深い繋がりを持つ美山川を守るために、
●廃食油をリサイクルした粉せっけんの利用(第3回世界水フォーラムで表彰)
●田の「しろかき」後の水を流さないようにする見回り活動
●地域の若者による新たなチャレンジとして(美山クリーンリバー作戦)
といった繋がりのある取り組みがなされています。
 5年目を迎えるこの活動には、ラフティング協会や自然学校などに加えて、大学や都市部からの一般参加者の方々も多数いらしています。
 しかし新たな課題として、鹿などの害獣により食べつくされた草のない地面に雨が直接当たってしまい、土砂が流失している問題や、放置ごみの問題なども発生しています。

 3月に大内集落で開催された自然学校は地元の方々の温かいご協力により、山の手入れ体験や、雪解け水と触れ合いながらの魚獲り体験など、川の大切さを考える素敵なメニューが実施されました。
 是非、生の美山を体験しにいらして下さい。
 
注.しろかき…苗を植える直前の作業工程の一つ
 
 
関西で見られる樹氷の山◆厳冬の高見山に登る! 

会員活動レポート      沖田 文明さん
 
  2月21日厳冬の高見山登山。
 今年の冬はことのほか寒い日が続き雪も多く降りました。そんな2月のある日カンタ会員の置田義男様と大雪が降ったあとの晴れた日に樹氷で有名な高見山登山を試みました。当日は大阪は晴れでしたが、下市から東吉野村のあたりになると曇ってきました。周りの山を見渡すと一面の雪景色です。
 そんな道を走っていて東吉野村の役場のあたりにさしかかり、ふと思い出した事が、役場の近くに冬だけしか作っていない「西善」と言う水羊羹の店が有ることです。帰りは暗くなるかもしれないので寄り道をして、買い求めました。店主が言うには昔は冷蔵設備が無く痛みやすいので冬の季節しか作れなかったそうです。今でもその伝統を守り冬しか製造していないということです。少し寄り道をしたが伊勢街道を少し走ると雪道です。 タイヤチェーンをつけて登山口をめざします。高見トンネル手前から旧道を通り登山口をめざすも、車のデフが雪に閊えてしまいスタックしてしまいました。 車を道路端しに幅寄せして、そこから高見山をめざすことにする。夏道の登山口よりも三キロほど手前です。林道でも30センチ程の積雪がありアイゼンをつけての歩行はつかれます。一時間ほど歩いてやっと小峠登山口につき、これから本格的な高見山登山です。登山道は40センチ以上の積雪で、登山者も少なく踏み固められていない雪道は、歩くのは骨が折れます。途中から樹氷がきれいになり、景色をみながら2時間ほど歩くとやっと山頂です。
 高見山は三重県側からの風が強く、山頂が近づくと強風が吹きつけます。山頂には避難小屋があり小屋の中で昼食です。持参したコンロで豚しゃぶをし、暖を取って休憩しました。
 今回はアルコール抜きの昼食です。めずらしい事です。昼食後避難小屋上の山頂に登り樹氷などの写真を写してしばしの樹氷見学です、かなり寒くなってきたので非難小屋で温度計を見るとマイナス12度、寒いはずです。身支度を整え早々の下山です。下山時に道を間違う事が多く、慎重に下ります。道を間違うと即遭難です。マイナス12度の冬山で遭難したら、いくら冬の装備をしているものの命取りになりかねません。とにかく暗くなる前に車の場所まで戻らなければなりません。急ぎ足でしかもスリップしないように慎重に歩き、約2時間ぐらいで何とか車を駐車した場所に戻り、、一路大宇陀温泉をめざして走り、入浴して身体を芯から暖めました。
 帰宅は午後八時ごろになり、1日の山行を終えました。山に行くにはやはり早朝出発しなければいけないなとつくづく思いました。
                                   
高見山(たかみさん、たかみやま)は、三重県松阪市(旧飯南郡飯高町)と奈良県吉野郡東吉野村との境界にある山である。標高は1248.4m。台高山脈の北端に位置しており、奈良県側の紀ノ川支流の高見川(平野川・杉谷川)と、三重県側の櫛田川の源頭になる。また、この山付近を中央構造線が通っている。関西では冬に霧氷や樹氷を見ることができる登山先として有名。昔は高角山、高水山などと呼ばれた。
(Wikpediaより)
2013年度 年間行事予定
特定非営利活動法人 関西ナショナル・トラスト協会
活動内容 保有・管理財産活用事業 農林漁業生産支援事業 自然環境保全事業 歴史環境部会事業
(その他)
生活環境保全事業
京都府南丹市に保有する「美山楽舎」の土地・建物を一般に有料で利用・貸し出し。
また、ここを拠点にしての各種行事(蛍鑑賞会、野菜栽培・販売等)を開催することによりナショナルトラスト運動の理解を深めてもらう。
農地の所有又は借用のための農地法の規定及び農業生産支援についての調査研究
及び
山林の産業活性化にため「松茸」生産の試行及び間伐材の積層不燃木材化への調査研究
和歌山県熊野川町の協力により、広葉照葉樹林で覆われていたような「昔の森」の姿を取り戻すべく「よみがえれ森」と名付けた活動をします。
及び
淀川浄化運動の「大阪湾再生プロジェクト第9回淀川でしじみ採り」の主催者として参加し、市民レベルで環境保全を推進
各地方地域において
スタディーツアー、
ワークキャンプ、
スタディーウォークの開催
及び
歴史・文化イベントへの参加
身近な生活環境を改善し、我々の周りを取り巻く環境保全することを目的に、まず事務所周辺を清掃することに取り組む。
4月 大内地区援農活動
4/21(代かき)
   土佐堀クリーン作戦
(4/中旬)
5月 美山楽舎補修と
野菜苗植え
田植え
5/11
グリーンベイ大阪
・芦生の森視察 5/12
・草刈り(美山) 5/20        
6月 紅花山芍薬視察 6/2
蛍鑑賞 6/29.30
・田んぼ草取り(毎月可能日のみ)    
・大内地区林道上ノ山線整備作業参加
土佐堀クリーン作戦
(6/中旬)
7月 夏野菜収穫&交流会
7/20.21
大内地区集落内環境
整備一斉作業に参加
淀川べっこうシジミ獲り
7/7
8月 冬野菜畑準備
8/31
土佐堀クリーン作戦
(8/中旬)
9月 水都大阪2013参加  
10月 奥安堂祭り
10/27
大内地区集落内環境
整備一斉作業に参加(奧庵堂)
  土佐堀クリーン作戦
(10/中旬)
11月 グリーンベイ植樹祭
11/24
ワークキャンプ 11/2〜4
グリーンスカウト大阪(共催)
12月 冬野菜収穫&交流会
12/14.15
土佐堀クリーン作戦
(12/中旬)
1月 大内地区常総会 酒蔵蔵人体験
2月 二月堂お水取り
松明竹運び(2/11)
土佐堀クリーン作戦
(2/中旬)
3月 第2回「土と水と緑の学校」
開催