KANTA通信 2007.5 No.54
 関西ナショナル・トラスト協会
(KANTA)
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(特活)関西ナショナル・トラスト協会(KANTA)
発行:沖田文明 編集:KANTA広報室
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 関西の美しい水田風景や山林、歴史景観と生活環境を守る運動
特定非営利活動法人 関西ナショナル・トラスト協会
  
美山町大内地区奧安堂祭りに参加して
代表理事 沖田 文明
 さる10月29日(日)KANTAが取得した古民家が所在する美山町大内地区の奧安堂祭りが開催され、夜の部に参加してきました。祭りは子供から大人まで地区住民80名ほどが参加して行われ、その中にわれわれ5名が参加し大内地区の方々と飲食をともにして、地元の慣習や、交流の仕方などを聞いてきました、その中には新住民と呼ばれる方達がおり、話を聞いてみると美山町で10宅地程(一宅地200坪程度)造成し、町民を増やす為に町外の人に売り出して、今家を建てて住んでいる人たちです。皆さん田舎暮らしが好きな方ばかりで、地域の活動、行事にも積極的に参加しておられます。自分の趣味をいかしてそれぞれ地域に貢献されています。

 私たちは、いずれ新住民になるのであるからこのような会合に積極的に参加することが大切な事です。
 KANTAとアジア協会は、町会長に「大内地区の古民家を買われて、保存と活用を目的に、会員の研修ハウス的な利用をする」と紹介され、町会に認められたようです。
 当番の御婦人方の手作りの料理をいただき、大内地区全体の親睦をはかるお祭りです。分譲地を購入して新住民になった人は、いろんな経歴の人がおりこれから交流するのが楽しみです。
 宴もたけなわになり、話も弾み、専業農家の方、大工さん、定年退職者、趣味に生きる人、美山が好きで移住してきた人、いろいろな方に出会え、話をし、六時からの宴もあっという間に三時間がたち、終わりの時間となりました
日本の原風景 京都府美山に
KANTA初のプロパティー取得
 昨年、カンタはアジア協会アジア友の会と共有で念願のプロパティー(資産)を取得した。
発足以来10年を経て、設立趣旨の一つである歴史的遺産を購入することができた。
 場所は京都府南丹市美山町、日本の原風景と言われる茅葺の里で有名な旧美山町である。

 築後100年を経た古民家で、一階には土間と竈(へっつい)があり、二階は蚕室となっており、今は、ほとんど見ることの出来ない昔の典型的な農村の家屋である。
 失われたら二度と得ることの出来ない貴重な歴史的遺産とも言える。
 決して保存状態が良好とは言えず、かなり改修費用が掛かると思われるが、手を入れることにより会員相互の交流の場や研修所としても、また付属する畠での農業体験・田園の暮らし体験など利用価値は計り知れないものがある。

物件の概要
 1、所在 京都府南丹市美山町内久保
 2、二階建て農家(築後約100年)
 3、建坪約160平方メートル(約40坪)
 4、敷地約1063.8平方メートル(約322坪)
 5、購入価格200万円(JAFSと折半)
 6、第一次改修費用約300万円

購入にいたる背景

 これまで平成13年から足掛け三年半にわたり、当地美山町のご好意により「JAFS美山ハウス」として使用させて頂いていた物件は町の事情により返却のやむなきにいたった。多くの会員や関係者からこのような施設の消滅を惜しむ声が起こり、是非もう一度「JAFSハウス」の復活を望む声が起こり、地元在住のJAFS理事小馬勝美氏を中心に実現に向けて検討を重ねてきた。
結果、上記物件を発掘、紹介された。JAFS有志及びKANTA理事会において協議・検討の結果、購入することになった。 

今後の課題
 築後100年以上の建物であるのと、長年人が住んでいなかったので傷みが進んでいる。
かなり雨漏りが進んでいるので、緊急を要する修繕は屋根の葺きえと、すぐに必要になる設備としてトイレと風呂がある。
 JAFSとKANTAが共同で利用するので、イベント等がある度に40〜50人の使用が見込まれ、現状では対応出来ない。
 大修繕は別にして、会員個々の能力を活かして古家を修繕していくのも一つの楽しみでもある。

  
 
   KANTAから 自然環境保全運動の再発信  常任理事 中岡 健生

 四季折々に美しい変化を見せる京都美山町の茅葺の里で、関西ナショナル・トラスト協会とアジア協会アジア友の会が共同で初めてのプロパティとなる古民家を取得しました。
このプロパティを魅力ある施設にするためにKANTAが行ってきたノウハウを生かしイベントや研修等の各種企画の充実に、会員一丸となって取り組むべきだと考えます。
 会員皆様の貴重な資産として、美しい自然の中の施設として、近隣との調和を図り、次の世代に引き継ぐと言う理念のもと、古民家としての良さをPRできればと願っております。
わが国は、自然災害が多く、建物は木造が主流であったため、建築物は基本的にスクラップアンドビルトの考え方をもとに造られてきました。
しかし近年、歴史的建築物の価値が見直されるようになり、平成八年六月には「文化財登録制度」が導入されました。
 これは資源の有効活用、廃材の発生抑制と言った環境問題に対する一つの表れで、歴史的建築物の成り立ち、文化的価値を保全すると言うナショナル・トラストの本来の目的にも沿うものと思います。
欧米においてウォーターフロントの再開発事業で倉庫がショッピングセンターとして生まれ変わった成功例が知られています。
 わが国においても、小樽の倉庫群、横浜の新港埠頭煉瓦倉庫の再生で、歴史的な景観の保全を計っています。
この美山町の古民家は明治以降に建てられた建築物(築後約一〇〇年)で屋根、外装の老朽化が見られますが、一部を修復すれば十分価値があります。
内部は古民家そのままの面影を残しているので、単に保存するだけでなく、手を加え、味のある施設として、有効活用するとともに、周りの優れた景観と共存できる建物として改修再生していきたいと思います。

改装基金募金要項
T.物件概要
  1.所在地:京都府南丹市美山町内久保
  2.二階建て農家(築後約100年)
  3.建坪約160平米(約40坪)
  4.敷地約1,063.8平米(約322坪)
U.募金目標 (第一目標700万円)
 内訳
  1.購入価格:200万円
  2.第一次改修費用屋根300万円、内装200万円
V.一般寄付
  A.一口100万円 B.一口50万円  C一口30万円
  D.一口10万円  E.一口 5万円  F.一口 3万円
  G.一口2万円   H.一口 1万円  I .金額自由
W.指定寄付
  A.畳一枚分寄付1万円 B.屋根瓦一枚分500円
※ご寄付はJAFS事務局又はKANTA事務局で受け付けております。家屋修繕・配管・電気・掃除等特殊技術をお持ちの方は是非ともお手伝い下さい。
振込先 郵便振込:00910-1-250128
    特定非営利活動法人   関西ナショナル・トラスト協会
  
   スタディーツアー 「芦生原生林」 副代表理事 北村 保

 今回のスタディーツアーは、芦生の森の探訪である。芦生原生林は、このたびKANTAが初のプロパティとして購入した古民家のある美山町の奥山である。京都府の北東部に位置し、滋賀・福井の両県に接する山域で、由良川の源流に広がる地域総面積約4200ヘクタール、その内約2000ヘクタールが斧鉞を知らない天然林と言われている。
 芦生原生林は京大研究林とも呼ばれ、京都大学農学部が管理している。
 大正10年に、地元の財産区(9ヶ字地区)所有の林を京大農学部の演習林として99年の地上権設定契約が結ばれ京都大学に貸与された。この地域は、日本列島の暖温帯と冷温帯の両域にまたがることからも豊富な動植物の種類に恵まれ、芦生杉は特によく知られている。

 入林口は、美山町須後と滋賀県の朽木生杉からが一般的であるが、私たちは美山町須後から入林し、通称トロッコ道ルートと呼ばれる由良川本流沿いの道を歩くことになった。
大阪と京都からの2台に分乗した私たちは、ガイドをして頂くことになった美山町の下伊豆さんと合流し、研究林入口の駐車場に車をとめ、入林届けを投函した後歩き始めた。
 出発して間もなく由良川橋を左岸に渡り、トロッコ道を上流へと進む。30分程で今は廃村になった灰野へ到着、住居跡等を見学する。途中、清流のほとりで昼食をとり、さらに上流へと遡行する。ふたご谷出合い付近の「岩上の大杉」と呼ばれる杉の大木のある地点の先で、崖崩れのため道が崩落し通行禁止になっているため引き返す。歩行距離往復約9キロ。コースに沿って、杉をはじめイチョウ、メタセコイア、ケヤキ等の植林が行われ、由良川が碧く澄んだ豊かな流れで芦生の森を潤していた。
 今回私たちが歩いたコースは、トロッコ軌道が敷設されていることからも分かるように、かつては大量の老大木が伐採され運び出され、代わって人工造林が行われたところである。
当初の地元と京大の契約では、京大は学術研究や演習に使用する代わりに、雑木を伐採して杉や檜の造林を行い、成木後の収益は地元と京大で折半することになっていた。その後、植林計画が予定どおり進まなかったことなど紆余曲折を経て、結果として原生林4200ヘクタールの半分近くの2000ヘクタールが手付かずで残った。また当地では、ダム建設の計画もあったが今は凍結されているようである。
 何はともあれ現在は、原生林の伐採や開発は中止されている。森は豊かな水を生み出し、流域を潤し、多くの命を育む源である。自然環境保護や国土保全といった普遍の原理に立ってこの貴重な森が何時までも残されることを期待し、かつ、自ら努力しなければならないと思った一日であった。
入会のご案内 編集後記

       会員になって下さい !
 本会の活動は、基本的に皆さんの会費や寄付で成り立っています。一人では出来ないことも多くの人が集まればなしとげることができます。
 正会員 :         年額一口  12,000円
 賛助会員:         年額一口  12,000円
 協力会員:        年額一口   5,000円
 ジュニア会員:(18歳以下)年額一口 3,000円
 団体正会員       年額一口  50,000円
 団体賛助会員     年額一口  24,000円
 団体協力会員     年額一口  12,000円
 KANTA会員数(平成18年4月25日現在)
 
  正会員    96名
   賛助会員  23名
   協力会員   7名
   学生会員   3名
      計   129名
「気が付いたときはもう遅い」と言われている地球温暖化は止まりそうにもありません。
北極の氷が溶け、ヒマラヤの氷河が後退していると報じられています。

 私たちが今、恩恵を受けているこの自然環境は子や孫の次世代へ引き継がれるものです。汚染し、破壊し尽くしたままで渡してよいものでしょうか。
 経済成長を追及するあまり、分っていても止められない悲しい人間の性でしょうか。   
今こそ、啓発運動の必要性を痛感します。
          
               (岩)