The National Trust Study Tour

2002年.9月4日〜11日
 

 2002年に行われた二回目の「ザ・ナショナル・トラスト スタディー・ツアー」を報告致します。
今回のツアーはロンドンを起点として、英国北部のヨーク、ウィンダミア方面へも訪れました。
英国の文学、歴史、廃墟の美、そしてトラスト活動の足跡を一つずつ辿っていく、巡礼のような旅だったと思います。
今回は回想録のそこここから、個々の詳しい解説・随想集のページへ行けるようになっています。
それではどうぞご覧下さい。

2002.9.4 出発〜ヒースロー空港着
8:00関西国際空港4Fロビーに集合。
 空港内にて簡単な出発式を行い、ツアー参加者の顔合わせをしました。見知った顔である昨年の参加者が1/3ほど。他はほとんどが初対面だったのですが、老若男女問わず皆気のいいひとたちばかりで、自然に会話が弾んでいきました。
これからの旅への期待に胸を膨らませ、心はすでに英国に。
ヒースロー到着。人混みを縫ってミーティング・ポイントへ向かいます。
いました、いました。この旅のプロデューサー・斎藤先生がにこにこと手を振って迎えてくれました。
空港からの送迎バスにてロンドン市中を抜け、キングスクロス駅を通り越して一日目の宿シスル・イズリントン・ホテルに到着です。
 この辺りは大変な場末のようで、ホテルのエントランス付近もちょっと冴えない感じ。
微かに不安がよぎりましたが、ジャパンセンターのひとがお弁当やらお蕎麦やらを届けてくれ、夜食に頂いたらほっとして何やら急に眠くなりました。
 入り口の野暮ったさに比べると、各部屋はそれほど悪くなかったので、一安心。

2002.9.5  自由行動
 3班に分かれて終日自由行動。 出発時間も自由なので、朝食もホテルのバイキングで適宜。早くどこかへ行きたくてウズウズしている様子が隠せない人もいれば、窓際のテーブルでゆっくりコーヒーをすすっている人もいた。

第一班:大英博物館〜テムズ川沿いの散策。大観覧車に乗ってロンドン市内を見渡そうという組。     隣のカプセルで結婚式が行われていたそうで、とても楽しかったそうです。

第二班:美術館とキューガーデンへ向かう組。

第三班:それぞれ自由行動組。

 当ページの管理人(24)は同じ大学の学生さんと 二人で、ヴィクトリア&アルバートミュージアムに行って参りました。ここは昨年のツアーでも一度訪れていたのですが、あまりに広すぎるため見ていないフロ アが結構あったのです。館内見取り図を持っていても、ふと我に返ると自分がどこにいるのか戸惑います。
 ここには凝ったデザインのドレスや装飾品、また日 本の着物やら布やらを集めたフロア(‘TRY ON A KIMONO’なる看板の下には試着用の着物が用意されていました)や、花びらや天使をあしらっ た可愛らしいリュートやハープなどの楽器、様々な石から創られたジュエリーや高さにして5,6メートルはあるであろうタペストリーの数々、銀色の甲冑や武 具、肉感の豊かな彫刻やケルトのお墓のモニュメント等、世界各国のそれぞれの文化を偲ばせる展示品がコレクションされています。時間が経つのを忘れて見 入ってしまいました。

2002.9.6  ヨークへ  

朝食後、荷物を押してキングスクロス駅へ。北に向かう列車の駅には何か哀愁が。ハリーポッターもこ こからホグワーツ校に行ったんですね。
私たちはヨーク行の列車に乗り込みました。二等車でしたが席は全指定でした。
まず団体ツアーで列車に乗れるなんてないでしょう。窓の外に広がる景色は同じ緑とはいえ、バスからみるのとはまた違う風情。二等車でも大満足。
ヨーク駅到着。荷物を押してホテルへ向かったが、駅前と聞いていたのにどうやら違う様子。なかなか目指すホテルに着かず、立ち往生。親切なおじさんがレスキューサイン。ホテルまで連れていってくれました。
 昼食を食べに二班に分かれる。NTショップのレストランでサンドイッチを食べる人たちと、パブでビールを飲みながらフィッシュアンドチップスを食べる人たちに。どちらの人数が多かったと思いますか? 当然パブですよね。
昼食後、市内見学。ヨークミンスター(ヨーロッパ最大の規模を誇る。建設に大変な年月がかかったとか)。
 ヨークの町は中性には北部イングランドでは最も大 きな権力のある町で、城壁を廻らせた典型的な中世都市でした。城門の両端の丸い塔のなかの階段を上がると、町をぐるりと廻れる城壁の上に出ます。歩いてみ ました。日本では絶対に体験出来ませんからちょっと不思議な気分になりました。
その後自由行動。

2002.9.7  ファウンテンズ・アビィー&リーボー・アビィー
 大型バスがなかなか来ない。
ようやく来ました。運転手は謝りながら、でもブツブツ。似たような名前のホテルが二つあるとか。ツアー会社の指示が悪くて、彼はそちらで待っていたそうです。
ともかく無事ファウンテンズ・アビィーへ。広大な敷地に広がる廃墟。緑と崩された石の世界。中に入るとこれまた見事。波打つような無数の丸天井を支える束ね柱の列。光が微かにその空間をよぎってゆく。レストランでサンドイッチを作ってもらい、リーボー・アビィーへと向かう。英国の田舎道をバスはのんびりと走って緑が一層深まったかなと思うとそこはリーボーだった。
リーボーからナニントン・ホールへ。しかしどうや らかなりの時間が経ってしまったようだ。行けるのか行けないのか案じているうちに、激しい雨が降ってきた。運転手がここですよと車を停めたが、そこからさ らに15分歩かなければいけないとのことだった。この激しい雨の中をひたすら歩いて、ナニントン・ホールを見ようとするひとは誰一人いず、結局帰ることに 決めた。一日にプロパティーを2カ所以上見るなんていうのはやはり無理なのだ。またもや計画倒れ。

2002.9.8  ハワース
 バスでハワースへ。一面の緑のなかをバスはひた走りに走って、世界でもっとも有名な小説のひとつ『嵐が丘』の地へと向かう。この辺りから牧草地は縄のような石垣が緑のなかをうねうねとよぎる光景へと変わる。
運転手は「ここにくるのは初めてだよ」と繰り返し、ハワースへの道をようやくのこと探し当てる。観光地としてそんな有名な地に観光バスの運転手が行ったことがないとは。いくらヨークのバスとはいえ(日本では考えられないことですね)。
昼食は、ブロンテ姉妹の弟のブランウェルが毎晩飲 んでいたという由緒正しいパブで、食べたのも由緒正しいポークパイ。たかがポークパイされどポークパイ。なんというおいしさ。パブの店主とその奥さんがに こにこと北国の温かいもてなしで迎えてくれ、大皿にいっぱいサラダも出してくれました。
さてヒル・トップへ向かうと思っていたのですが、運転手の頭の中にはヒル・トップのことなどまるで存在していない様子。ひたすらホテルへの行き方を試行錯誤しているようだった。
 時間も事実かなり遅い。ロンドンのツアーエイジェ ントが出した運転指示表を見ると、ヒル・トップなどどこにも書いてないではないか。斎藤先生はひたすら慌てる。今回の旅の最大の焦点がナショナル・トラス ト発祥の地ヒル・トップなのだから。先生はバッグから携帯電話を出すと、どこかに電話をかけている。やがてVサインを出して、「ヒル・トップは明朝行きま す。タクシー会社にマイクロバスを予約しましたから」と仰った。これでみんなも一安心。運転手は相変わらずホテルの入り口がわからないと慌てている。何度 も降りては人に尋ね、ようやく目指すバーンサイド・ホテルに到着。小高い丘の上からボーネス湖が見渡せるホテルでした。その晩はそのホテルでのディナーでした。 

2002.9.9  ヒル・トップ
 朝食後、ミニバスとタクシーの二台に分乗してヒル・トップに向かったのですが、ついでに湖水巡りをしてもらいました。さらにベアトリクス・ポッターが所有していたトラウトベクの近辺も走ってもらいました。
ハプニング続きでこの日の予定は大幅に異なったものとなりましたが、オプションの中のトラウトベックの谷と湖はこれで楽しむことができました。
ようやく最大の目的地ベアトリクス・ポッターの住居ヒル・トップにつきました。
 ホテルに戻って湖の見えるホテルのバーでランチを。昼食後は自由散策。
夜はまたホテルでのディナー。

2002.9.10  ラスキン記念館〜タブ・コテッジ
 コニストンのラスキン記念館へと向かう。かなり殺風景な所に、あまり大きくない建物でラスキン記念館があった。
 職員の方にお願いして、ガイドツアーをして頂いた。
そしてダブ・コテッジへ。ウィンダミア湖から道路をひとつ隔てたその奥に、ダブ・コテッジとワーズワース博物館があった。ダブ・コテッジは狭いため、二班に分かれて入場。ガイドツアーをして頂いた。オックスホルムから列車にてロンドンへ。ホテルの地中海料理のレストランでこのツアー最後の夕食。

2002.9.11
 終日自由行動。
夕方6時ホテルロビーに集合。送迎バスにてヒースローへ。
英国ツアーの数々の思い出やツアー最後の日をどこで過ごしたか、なんていう話題で機内は盛り上がります。
 英国の北部、それも列車に乗っての旅行に、英国風土への視野が一段と広がった気がします。
斎藤先生はじめ旅の企画に関わったKANTAの諸関係者の方、また寝食を共にした旅の参加者全員に…感謝です!

2002年参加組。ラスキン記念館前にて。

それぞれに個性豊かな人たちと、手作りのツアーが楽しめるのは

カンタ英国NTスタディー・ツアーの魅力の一つ。

 <了>